浄土真宗本願寺派 や 真宗大谷派 の門徒用念珠 頭付房と切房のどちらが正しい?
前回の
お念珠について 略式念珠 ( 片手念珠 一重念珠 ) Q&A
に引き続き
正式念珠の種類について 〜 宗派による念珠の違い
日本の仏教には、代表的な宗派が八つあり、
天台宗・真言宗・臨済宗・曹洞宗
浄土宗・浄土真宗(本願寺派・大谷派)・日蓮宗
を指し、それぞれの宗派で正式念珠があります。
浄土真宗には本願寺派= 通称:お西 と、真宗大谷派= 通称:お東 他にも高田派などいろいろな宗派があります。
ここでは、浄土真宗(本願寺派・大谷派)の念珠についてお話しします
浄土真宗の正式数珠とは?
浄土真宗の正式念珠(門徒用念珠)は、主玉:108個、親玉:2個、四天玉:4個で構成されています
特徴は 蓮如結びと呼ばれる漢字の「四」に似た紐の結び方
浄土真宗の念珠の特徴は、弟子玉が一方にしか入らず、他の一方は紐を巻き上げ、四の形をした蓮如結びをほどこし、房がつくのみの形となっているところです。
蓮如(上人)とは、浄土真宗本願寺派第8世宗主で、浄土真宗を全国に広く広めたお方で
浄土真宗のお仏壇の阿弥陀様の御本尊の左右両脇の掛け軸の向かって左側のお方です
浄土真宗の教え 〜 煩脳具足 の教えが由来の 蓮如結び
浄土真宗の念珠について書く前に、
浄土真宗の教えとは?
煩脳具足
由来 / 語源 『 煩悩 』は、心身を迷わせる欲望。心の迷い
『 具足 』は、備わっていること
意味:心をわずらわし、身を迷わせる欲望が備わっていること
すなわち、煩悩まみれの人間。それこそが、真実の自己の姿であり、浄土真宗は、煩脳具足そのままで救われるという教えです。
人間は、煩悩まみれであることが、本来の姿で、ありのままの姿で、修行をぜずとも阿弥陀様への報恩感謝(恩に報い、感謝すること)で、阿弥陀様が必ず極楽往生 = 極楽浄土に導いてくれるという
『 他力本願 』 の教えで、『 他力本願 』というと、人まかせ、他人依存と誤解しますが、浄土真宗でいう「他力本願」とは、他力とは、他人の力ではなく、仏の力、阿弥陀仏の慈悲のはたらきを差し、阿弥陀仏のほうから自ら願って、私達を極楽浄土にお導きしてくださるの意味です
他の宗派では、
念珠を持って仏さまに手を合わせれば、煩悩が消滅し、功徳を得られる修行として念仏を唱えて煩悩を取り払う
と説いていますが
浄土真宗は、煩悩のあるのが人間の本来の姿で、そのため、他の宗派のように修行により煩悩を取り払う必要がなく、
念仏をお唱えするときも、念珠を操って数を数える数取り(数を数える)必要がなく、
そのため、数取りができないように数珠の片方の房が「蓮如結び」という形で結ばれいます
浄土真宗の念珠は、阿弥陀様への報恩感謝(恩に報い、感謝すること)のための念珠です
浄土真宗の門徒の正式な念珠
(男性用正式念珠) (女性用正式念珠) では形が異なります
[ 男性用の場合 ]
浄土真宗の男性は、房は紐房が望ましいとされています。
浄土真宗本願寺派と、浄土真宗大谷派とも同じです
普通の房の略式念珠でも構いません。
[ 女性用の場合 ]
浄土真宗の女性は、正式数珠である門徒念珠を使います。
普通の房の略式念珠でも構いません。
女性用の門徒念珠は、房には、頭付撚り房 と 切房があります
- 頭付撚り房は、房の上に、頭(かしら)が付き、房は糸が撚ってあり、コシがあります。
- 切房は、頭が付かず、房糸は、撚ってなく1本で、とてもしなやかです。
Q. 女性用の浄土真宗本願寺派(お西) と、真宗大谷派(お東)の念珠の房はどちらが正しい?
よく、お西とお東は、頭付撚り房と切房 のどちらを選んだら良いの?と相談をいただきます。
現在、本願寺派(お西)では頭付撚房が、大谷派(お東)では切房が主に用いられますが、
A. 結論から申しますと、特に決まりはなく、どちらを選ばれてもよろしいです。
その昔は、お西 =切房、 お東 =頭付撚房 という時期もあり
諸説で、本願寺の宗主様の好みで、変わったらしいです。
それ以前の真宗が誕生した時代は、片手念珠、今よりもっとシンプルな一本の房や紐房のはずです。
また、お西のお寺様でも、切房と頭付撚り房を使われるところがあります
そのため、どちらが正しい、間違えとは、言えません。
(取引している、複数の念珠のメーカー さんも問い合わせしましたが、同じ意見でした。)
浄土真宗の数珠=門徒数珠
長い一連念珠で両側に 房がある=振り分け念珠で
振り分け念珠は、おもに真言宗の正式念珠として用いられ、日蓮宗以外の宗派に関係なくお使いいただける
108の珠の二連の本式数珠(八宗用念珠) もありますが
八宗とは 主要八宗とは日本の代表的な仏教の八つの宗旨のことで、
天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗本願寺派・浄土真宗大谷派・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗を指します。
浄土真宗 本願寺派、真宗大谷派の門徒の女性用であれば、『片方の親玉の下に蓮如結び がある』振り分け念珠
![](/wp-content/uploads/rennyo-musubi-300x292.jpg)
あれば、房は、頭付撚り房と切房のどちらでもよろしいかと思います。
![浄土真宗 門徒用念珠](/wp-content/uploads/juzu_figure_02-500x243-1.png)
数珠珠や房の色も、今では様々な色がありますので、お好みの素材や房の色を選ばれると良いかと思います。
ただし、半装束念珠と呼ばれる、 浄土真宗の僧侶が持たれる白い房の念珠は、
僧侶が布教や法要で用いる念珠ですので、一般の門徒がもちるのは避けた方がよろしいです
房がどうしても、気になる場合は、お寺様に相談してください
浄土真宗の念珠の掛け方
男性の紐房(略式念珠の)場合
房が下に来るように、手を通します
男性の場合、本願寺派(お西)、大谷派(お東)共に同じ持ち方です。
女性の片手房(略式念珠の)場合
房が下に来るように、手を通します
略式念珠の場合は、本願寺派(お西)、大谷派(お東)共に同じ持ち方です。
浄土真宗の女性用 門徒念珠の掛け方
女性の場合、お西とお東では、掛け方が違います
本願寺派(お西)の女性の門徒念珠の掛け方
![浄土真宗 女性念珠](/wp-content/uploads/233f605d4993ac080901f506ff753d78.png)
房を下に垂らすように2連に巻いて
両手に掛け、房を下に垂らします
持つときは、左手で持ちます。
大谷派(お東)の女性の門徒念珠の掛け方
東本願寺派は少しだけ複雑になります
両方の親玉部分が上にくるように2重に巻いて両手に掛け、
親玉部分を左手親指で挟み、房を左側に垂らします。
合掌の時は、親指で軽く上から押さえ、指の間をぴったり閉じて念珠が落ちないようにします。
念珠の持ち方
数珠を使わないときは、房を下にして左手で持つようにします。
長い数珠の場合は二連にしましょう。
座っているときは、左手首にかけておきます。
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